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法話

いつもいっしょのほとけさま

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 先日、子ども会でお聞きした布教使さんのお話をご紹介します。
 
 順ちゃんのお母さんは、順ちゃんが3歳の時、病気で亡くなっています。ですから、お母さん顔を覚えていません。順ちゃんが小学校一年生になった時のことです。お母さんに会いたくて会いたくてたまらない順ちゃんは、ある日家を飛び出し、知らない町までどんどん歩いていきました。「お母さんは遠いところに行ったんだよ」と聞かされていたからです。「お母さーん、僕のお母さん、どこにいるのー」順ちゃんがそう言いながら歩いているのを見かけた町の人が、迷い子だろうと交番に連れて行ってくれました。その頃、順ちゃんの家では大騒ぎです。5歳上のお兄いちゃんが手分けをして探してくれました。お友達に聞くと、「今日はお母さんに会いに行くんだ」とお昼休みに順ちゃんが話していたと言うではありませんか。あたりは暗くなり、途方に暮れていた時、交番から「順ちゃんを預かっています」という知らせがありました。お父さんとお兄ちゃんは急いで交番へ向かいました。走りながらお父さんは、亡くなる前にお母さんが言っていた言葉を思い出していました。交番に迎えに来たお父さんを見るなり、順ちゃんは「お母さんを探していたんだよう、お母さんはどこにいるんだよう。会いたいよう・・・」後は言葉になりません。お父さんは、順ちゃんを力一杯抱きしめ「お兄いちゃんも順もよく聞いてくれ。お母さんは順が三つの時に死んだんだよ。ここに来る途中、お母さんがお前たちに残した大切な言葉を思い出したよ」。お父さんは、お母さんが残した言葉をゆっくり話し始めました。
 
『もっと生きて、あなたや子ども達と一緒にいたい・・・。だけど、もう長くないと思うの。私がいなくなって、あの子達が寂しい思いをすることを考えると、かわいそうでやりきれなくて・・・。きっと私を探すと思うの。その時にはこう言ってあげてね。お母さんは仏様の国に生まれて、“なもあみだぶつ”っていう仏様になってるって。だからいつでもどんな時でもあなた達と一緒にいるよ。寂しい時も、嬉しい時も、つらいことが会った時も、“なもあみだぶつ”って言ってごらん。お母さんはどんなことがあってもあなた達と一緒だよ』お父さんも顔をくしゃくしゃにして泣きながら、お母さんの言葉を子ども達に伝えました。
 
 その時順ちゃんの口から初めて「なもあみだぶつ・・・」とお念仏が出ました。それから順ちゃんは、お念仏をすると、なんだかお母さんに抱っこされて護られているようで、嬉しくて何度も何度もお念仏をするようになりました。「お母さんは、探しに行かなくても、いつも僕と一緒に居てるれる仏様になったんだ」と、順ちゃんは勇気と元気が出たみたいです。 合掌
 
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