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坊守の俳句エッセイ

晩秋や丸いポストの残る町

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近所にまだ一つだけ丸い形のポストがあります。昔ながらの個売りのタバコ屋の前にあって、絵にかいたようなレトロな風景です。「本当にまだ使っているのかな?」と横の回収時間を見てみると、一日一回。伊勢原では普通一日二回なので、つい他のポストで出してしまいます。
 先日、娘が私の叔母に手紙を出す為に、自分でポストに投函しにいきました。叔母は翌々日からヒマラヤ山脈に長期の旅行へ出かける予定でした。出かける前に読んでもらいたいという気持ちでしたが、前日、叔母に電話してみると、手紙は届いていないと言うのです。娘に「どこのポストに入れたの?」と聞くと、「あの丸いポストだよ」と答えました。「あそこは着くのが遅いんだよ」と言うと、とてもがっかりしていました。
 そして叔母が帰ってくるのを本当に首を長くして待ちました。娘は私の母が亡くなってから、特に叔母の事を慕っているようです。やがてやっと旅行から帰った叔母から「お手紙ありがとう」と電話があり、娘は受話器に飛びついて話しをしていました。待った分だけ、喜びが大きく感じられたのでしょう。

 

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