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坊守の俳句エッセイ

さみだれや万年筆を置く机

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万年筆は私にとって、勝負ペンです。万年筆で書いた時だけ、字が上手だと褒められます。でも、ここ数年インクがきれていたため、使っていませんでした。店頭で見ても、売っていないため、店員さんに尋ねるのが面倒だったのです。そこを先日、思い切って聞き、奥から出してきてもらい、やっと買うことが出来ました。
 
 大学生の時、ある先生が「万年筆を持たない学生はこの講義を受けられません」とおっしゃったのです。
しかも決まったメーカーの物で、決まったインクの色を使わなければならないと。「万年筆は、出席簿を書く時、その人の字の癖が顕著にでるので、代筆が出来ないのです」と嬉しそうに理由をおっしゃっていました。今ならクレームが来そうな話です。丁度、父がその時、その万年筆を持っていたので、それを貰い、二十数年今でも愛用しています。もしあの講義をとらなければ、万年筆を一生手にすることはなかったかもしれません。今は安くて書きやすいペンがいくらでもありますから。
 
 そんなことを思い出しながら、インクを入れた例の万年筆で書いてみると、あら不思議。
 
自分ではないような美しい字に見えます。でも手紙など滅多に書かない時代。万年筆の字が上手などという特技を生かす機会などありません。時代が時代なら「筆美人」と呼ばれたかもしれません。

 

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