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法話

現世のご利益

月々の法話では、ご和讃を聴かせていただきます。和讃とは浄土真宗を開かれた親鸞聖人が、教えの中でとても大切なことを、漢文を読むことのできない人々のために誰にでも判る様に七五調の親しみやすい和文で書かれたものです。今月号で聴かせていただくご和讃は高僧和讃の中の一首です。

 

南無阿弥陀仏なもあみだぶつをとなふれば
十方無量じっぽうむりょう
諸仏しょぶつ
百重千重ひゃくじゅうせんじゅう囲繞いにょうして
よろこびまもりたまふなり  

     

今月聴かせていただく御和讃は現世利益和讃の一首です。現代語に訳しますと、「信心をいただいて南無阿弥陀仏を称える身になると、十方世界におられる数え切れない諸仏が百重にも千重にもとりまいて、お念仏をする身になったことをよろこび、おまもりくださるのです」と詠まれています。
 
 現世利益(げんぜりやく)とは、いわゆる「ごりやく」のことです。ご利益といっても、商売繁盛や、いろいろな祈願といったご利益ではありません。この現世利益というのは、阿弥陀如様にすべてをおまかせし、真実の信心を得た人に、おのずから与えられるものであり、この世での利益を得たいと思って、阿弥陀如来様に祈っても得られるものではありません。具体的に申しますと、この世の間に、たくさんの諸仏に守られ、私の重い罪も消え、人間の命の縁が尽きた時には、間違いなくお浄土へうまれる仲間(現生正定聚)にならせていただけるというものです。
 
 私の娘は3歳になりました。昨年の十一月には、入園する幼稚園が決まり、四月からは晴れて幼稚園生になります。その幼稚園では入園前に体験入園というのがあり、月に数回幼稚園で過ごします。一人っ子の娘には、同世代の子ども達と遊ぶことはとても嬉しいらしく、家に帰ってくるなり、私に幼稚園での事を一生懸命話してくれます。もちろんテンションも揚がりっぱなしです。問題なのはその夜です。夜遅くになってもそのハイテンションは治まらず、いつまでたっても寝ようとはしません。夜も遅くなってきたので、何とか娘を布団に入らせようと、「早く寝ないと、怖いお化けさんがでてくるかもよ」と娘を脅かしました。しかし、娘は平然とした顔で、「大丈夫。お父さんいるから」と・・・。なんとも可愛いやら、嬉しいやらで、涙が出そうになったほどでした。
 
 娘にとっては、いつでも私が傍にいるからと思い、何一つ怖いものがないのでしょう。決して自分を見放さない方がいると気付き、心から信じることができるというのは、人生を安心して生きていけるということです。恐怖や苦しみを乗り越えて生きていけるということです。
 
 阿弥陀如来様や諸仏さまは、何も恐れることはないぞ、いつでもそばにいるぞと、私を包みこんでいてくださっています。そして、たとえどんなにつらい病苦や悲しみに出会っても、私を阿弥陀如来様の教えに出遭わせていただくためのものであったと、うけとることができるのです。花や木や、風や動物もそうです。身の回りのすべてのものは如来さまのお使いとして、百重にも千重にも私を取り囲み、お説法してくださっているのです。そして、お浄土へ向かう人生へと導いてくださっているのです。

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