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坊守の俳句エッセイ

子の涙エプロンで拭く秋の暮   釋法蓮(法子)

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この句は先日の朝日新聞の俳句欄に載ったものです。「新聞の俳句欄って誰でも載るんでしょ」と言われることがよくあります。いえいえ、それはとんでもない間違いですと声を大にして言いたいです。そもそも朝日新聞の俳句欄は全国版です。朝日新聞の発行部数からいっても、俳人にとって、この欄に載る事は憧れといってもいいでしょう。週に五千句以上の投句があり、選ばれるのはたったの四十句。最低でも百二十五分の一の確率です。

 何度か私も、この欄に載せていただいたことがあります。最初の頃は、先輩の俳人の方々に、お祝いのお電話やお手紙をたくさんいただきましたが、今は誰にも何も言われません。少し寂しい気がします。 
 この句は私が夕飯支度をしていると、いつものように、たいしたことの無い事で、娘が泣きながらすがりついてきた時のことです。手が離せず、拭くものもないので、仕方なくエプロンで拭いたというものです。
 なんとなく昭和の匂いがしませんか。サザエさんにも出て来そうな場面です。そんなノスタルジックでほのぼのとした母と子の姿に、選者の方はこの句を選んでくださったのでしょうか。

 

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