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法話

ともかくもあなたまかせの年の暮れ

この句は、毎年、年の暮れになると思い出します。浄土真宗の門徒の家に生まれ、念仏者としても知られる、俳人小林一茶の一句です。この句の“あなたまかせ”というのは、他人まかせとういう意味ではなく、“あなた”とは阿弥陀如来様のことを指しています。
どんなに裕福であっても、貧乏であっても、おごることなく、卑屈になることもなく、ありのままに年を越していきましょうという意味ですから、とらわれの無い年の送り方です。
 
「ともかくもあなたまかせ」と阿弥陀如来様の救いにすべてお任せしている自分だから、私の人生は、何があっても心配のない人生というのです。
 
つまり、ただ人任せにして何もしなくていいというのではなく、自分の命の帰る場所を心得え、本当におまかせのできる救いをしっかりと心に持っているからこそ、どんな苦しみや悲しみに出合っても、人生を安心と安堵の中に生きていけるのです。そうゆう意味で「あなたまかせの年の暮れ」と、詠んだのではないでしょうか。
 
また、一茶は五十一歳で結婚をし、長男が生まれますが、生後一ヶ月で、病のため我が子を失います。次に生まれた長女もまた、一年で病死します。
 
そんな波乱万丈の人生の中で、死んだ我が子を仏として浄土へ生まれさせ、仏となった我が子と一緒に、私を見守り導いてくださっている阿弥陀如来様がいてくださると、心からその救いにおまかせをしている姿がうかがえます。
 
思うようにならない人生だからこそ、悲しみや苦しみの尽きない人間だからこそ、自らの力に頼るのではなく、如来様のご本願にお任せをしていくのが、本当の念仏者なのです。
 
年の暮れに一年を振り返った時、たくさんの方々のお蔭で今私が生きている事への感謝と、いつでも私の傍で、浄土へ生まれていく道を照らし続けていてくださる、阿弥陀如来様への報謝のお念仏とともに、新しい年を迎えていきたいものです。

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