ホーム>立徳寺だより>坊守の俳句エッセイ>紅白の梅のほどよく混ざる丘   釋法蓮(法子)
坊守の俳句エッセイ

紅白の梅のほどよく混ざる丘   釋法蓮(法子)

梅の花.gif

梅の咲く季節です。最近は以前より梅の美しさが身にしみます。年のせいでしょうか。今の時期、車を走らせれば、民家の庭先やちょっとした空き地に、梅が静かに咲いているのを見かけます。白も紅も各々趣きがあります。

桜のような華やかさはありませんが、まだ寒い季節に春を告げる姿はとても健気です。
梅は平安時代以降、特に香りを賞で、詩歌に詠まれました。例えば、

人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける (紀貫之)

(あなたは心変わりをしているのではあるまいか。昔なじみのこの土地では、梅の花は昔と変わらぬよい香りをはなって、美しく咲いていることよ。)百人一首の中の有名な一首です。この場合の花は梅の花のことで、多くの人々の心をとらえてきた名歌です。

ところで、最近の歌謡曲は、桜の花の歌が全盛期に思えます。現代では残念ながら、地味な梅は賞賛の対象になりにくいのかもしれません。梅の奥ゆかしい美しさは、表現しにくいとも思えます。

古来、「花王」とまで称された桜に対し、とても勝目はなさそうです。そもそも梅と桜を比較すること自体おかしなことかもしれません。梅も桜もそれぞれの美しさで私たちを楽しませてくれているのは間違いないのですから。
 

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.ryuutokuji.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/107

ページ上部へ